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事務所ニュース:No.94 2024年10月20日発行

事務所ニュース

HPVワクチン薬害訴訟について

弁護士 前畑  龍

 「自力で立って歩くのが難しい」、「親の顔を見ても誰か分からなかった」、「激しい倦怠感でずっと寝ている」、これらの言葉はすべてHPVワクチンを打ち、副反応が起きた方々の声のひとつです。
 HPVワクチンは2010年から国の緊急促進事業として接種の無償化が行われ、2013年4月に定期接種として積極的な接種勧奨が開始され学校においても広く宣伝されていました。
 しかし、定期接種が開始されてから間もなく、ワクチン接種と副反応との因果関係が否定できないとして積極的な接種勧奨の一時差し控えが決定されました。
 2016年、副反応で苦しむ人々が原告となり4つの地方裁判所で訴訟を提起して現在に至るまで継続していますが、2022年4月には安全性と有効性が確認されていないにも関わらず、国は積極的な接種勧奨を再開してキャッチアップ接種を実施しています。
 「治療法を確立して欲しい」、「この先同じような被害者が増えて欲しくない」、「打とうか考えている人はまず被害の実情をしっかり知った上で判断して欲しい」、原告の方々はこうした願いを持って訴訟に臨んでいます。
 Youtubeなどでは、政府の見解に反するものは「誤情報」として削除されてしまいますので、出てくるのはワクチン推奨ばかりで、被害者の声はなかなか出てきません。そのような中でも実情を届けるために、原告および弁護団は声をあげ続けています。弁護団のホームページにはこれまでの詳しい経過や被害者の声を掲載していますので、「HPV 訴訟 弁護団」で検索してもらい、ぜひ詳しく見てもらえたらと思います。

相続登記が義務化されました―詐欺にも注意!

弁護士 小林 容子

 今年4月1日から、相続によって不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務となりました。今年4月1日以前に相続した場合も、3年間の猶予がありますが、2027年3月31日までに相続登記をしなければなりません。このように、相続登記が義務付けられたのは、各地で、所有者が不明で管理が滞っている不動産により周辺に危険が及んだり、環境が悪化する事態が増加しているからです。
 相続人が多数で調査や必要な資料の収集などに多くの時間を要する場合、遺言書の有効性や遺産の範囲が争われている場合など「正当な理由」がある場合を除き、登記申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。この過料は、相続登記を怠っていたからと言って、突然、直ちに納付を求められることはありません。まずは、登記官(法務局)から期限を決めて登記をするよう促す書面(催告書)が届きます。この期限に登記がされないと裁判所が過料を科すか否かの判断をしますが、ここで「正当な理由」があって登記申請をすることができなかったことを弁明する機会があります。最近、突然、過料を支払えと請求書が送りつけられる詐欺が横行しているようなので、気を付けてください。
 遺産分割の話し合いが長引いているような場合には、相続登記が義務化されるのと同時に始まった、相続人申告登記の申請を法務局にすると、その相続人については登記義務を果たしたことになります。これは、登記簿上の所有者について相続が開始したことを相続人が申し出る制度で、申し出があると、申し出た相続人の氏名・住所等が登記されます。遺産分割がされた後に、これとは別に、その結果に応じた相続登記をする必要があります。
 ご心配な場合は、弁護士にご相談ください。

オスプレイの飛行差止を求めて裁判をしています―第3次新横田基地公害訴訟

弁護士 與那嶺 慧理

 横田基地は、昭島・瑞穂など西多摩の五市一町に跨がる、広さ東京ドーム150個分の米軍基地です。国が飛行騒音が酷いために防音工事が必要としている地域(W値=うるささ指数 75以上)は、八王子などさらに南北に広がります。いずれも住宅地で、学校や病院なども多数あります。せめて静かに眠れる夜を取り戻したい(飛行差止)、被害に見合う賠償をして欲しいと住民が立ち上がったのが、横田基地公害訴訟です。
 最初の提訴(旧訴訟)は1976年、今年で48年になります。この間、1996年、2013年と2回の新訴訟を行い、現在は、2022年に提訴した4度目の訴訟を、約1470名の原告と約30名の弁護団で、闘っています。
 過去の裁判では、いずれも損害賠償は認められましたが、飛行差止は棄却されました。ただ、日米合意で、原則夜間の飛行を行わないとするなど、訴訟は、騒音や安全対策を進める力になっています。
 今回の訴訟では、オスプレイの全面飛行差止を加えました。
オスプレイは、構造自体に欠陥があり、操縦も困難と言われています。最新の米空軍の資料でも、オスプレイの重大事故率は、他の米軍機に比べてダントツに高いです。しかも、独特の低く響く騒音が不快です。
 横田基地には現在6機のCV-22オスプレイが配備され、全部で10機が配備予定です。昨年12月に屋久島沖で墜落し8名の死者を出したオスプレイも横田基地所属です。最近事故報告書が出されましたが、故障の原因は明確にされていません。
 こんな危険で不快なオスプレイは、飛ばさないのが一番です。
 裁判は、原告の陳述書の作成が一段落したところで、先は長いです。住民が静かに安全に暮らせるように、ご支援をよろしくお願いします。

うちら裁判

弁護士 向井 香織

1 うちら裁判とは
 2024年7月16日、離婚を強要されずに法令上の性別取扱いの変更を求めるため、京都家裁へ申立てをしました。「既婚を理由に法的性別取扱い変更を認めないのは違憲!なんでうちらが離婚せなあかんの?裁判」(略称「うちら裁判」)には、北海道から京都まで7名の弁護士が参加し、私もその一人です。

2 特例法とは
 性別取扱いを変更するための要件は、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(特例法)第3条各号に定められています。なお、4号(手術要件)は2023年10月25日に最高裁大法廷が違憲無効、5号(外観要件)は2024年7月10日に広島高裁が違憲の疑いと判断しています。

一 十八歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

3 どんな問題があるの?
 本裁判の申立人であるトランスジェンダー女性のAさんは、現在、女性として日常生活を送っています。Aさんには妻Bさんがいます。Aさんは、交際前から自身の性別違和を打ち明けており、結婚後は、葛藤もありつつ後押ししてくれたBさんの支えを受け、性別移行を進めました。現在、二人は、女性同士のカップルとして円満なふうふ生活を送っています。
 Aさんは、周囲から「女性」と認識されていますが、公的書類に「男性」と記載されているため、日常生活の様々な場面で説明を求められ、望まないカミングアウトを強いられています。このような不利益を解消するため、性別取扱いの変更を望んでいますが、2号(非婚要件)が障壁となり、「離婚する」か「実態に合わない性別取扱いのまま生きる」か、という選択を迫られています。非婚要件の違憲性を争うのが本裁判です。

コラム:マラソンと私

弁護士 森  孝博

 東京マラソン2015に当選したことをキッカケにフルマラソンを走るようになり、もうすぐ10年になります。マラソンの完走タイムを縮めるには、一言でいうと、より速く、長く走れるようになればいいだけのことなのですが、「速く走る」ことと「長く走る」ことは、一方を追求すると他方を犠牲にせざるをえない関係にあり、ここにマラソンにおける究極のジレンマがあると感じます。しかも、42.195kmという距離が絶妙(?)で、速く走る時には糖質が優先的に消費されるのですが、身体に蓄えられる量に限りがあり、上手に消費しないとフルマラソンの距離では後半どうしても失速してしまいます。こうした矛盾や生理的限界をどう乗り越えて、ゴールまで少しでも速く走り切るか。世界トップレベルから市民ランナーまで、おそらく自己ベスト更新を目指す世界中のランナーがこの問いに試行錯誤を繰り返しているのではないかと思います。私自身、2022年12月以降、記録が低迷して悪戦苦闘しているのですが、東京マラソン2025に出場するチャンスを得たので、来年3月までにはスランプを脱出して、10周年の節目に自己記録を更新できればと夢想しています。