DV(ドメスティック バイオレンス)勇気を出して相談を!
- 1才の子どもがいる主婦です。夫の暴力がひどく、このままではとても耐えられず、家を出ようかと考えています。ただ、身寄りがなく、子どもが小さいためすぐに子どもを預けて働きに出るのも難しいので、とても困っています。
- とても、大変な目に合っているのですね。お子さんもまだまだ小さく大変ですね。
まず、暴力について警察や配偶者暴力相談支援センター、自治体のDV相談窓口に相談してみましょう。内閣府男女共同参画局が設置する全国共通ダイヤル(0570-0-55210)に電話をすると、最寄りの相談窓口の連絡先を教えてもらえます。
すぐに解決する訳ではありませんが、悩み事を相談できるだけでも気持ちが軽くなることがありますし、調停、訴訟で相談したことが有利な材料になることもあります。
- 相談しても、住む場所や生活費がないと家を出られませんよね。
- 相談すると、暴力があるとの事であれば、一時避難所に入所が可能になったり、一時避難所に避難してその間に生活保護を受給することも可能です。
- 婚姻費用分担請求というものがあると聞いたのですが、自分から家を出てももらえますか。
- 夫婦には、一般に同居義務がありますが、正当な事由があれば別居は可能です。暴力により同居が困難な場合は、それにあたります。その場合、婚姻費用を請求できます。婚姻費用はその資産、収入、社会的な地位に応じた通常の社会生活維持するために必要な費用で夫婦で分担するものです(民法760条)。
双方の話し合いで支払って貰えればそれでもいいですし、家庭裁判所に調停を申し立てて調停で話し合って決めることも可能です。額は、双方の収入、お子さんがいる場合はその数、お子さんの年齢を考慮して作成された算定表があり、それで算出される大体の金額を基本にして話し合います。
調停で話し合いがつかないときは審判に移行し、裁判所に決めて貰うことが出来ます。
審判の場合には、算定表に従い、申立時からの支払を命じることが多いです。
審判で支払が命じられたにも拘わらず、婚姻費用を支払って貰えないときには、相手の給料の差押えをすることができます。
差押えは通常の場合は、給料の4分の1までが限度となっていますが、婚姻費用の場合には2分の1まで差押えが可能です。これは逆に言えば、それまでの不払いの期間が長ければ長いほど差押えで支払義務者の生活を厳しいものにする可能性もあります。支払う側はその事も考慮した方がいいでしょう。
なお、婚姻費用の調停、離婚の調停は、住所を明らかにすると相手が自宅にやってきて暴力を振るわれるなどの恐れがある場合には、現在の住所を相手に明らかにしなくても可能ですし、裁判所は調停の際に相手に会わないように配慮してくれます。気軽に弁護士にもご相談下さい。
このQ&Aは、過去の相談をもとに掲載しています。題名横の日付の時点での回答ですので、その後の法改正などにより、現在は内容が変わっている場合もありますので、ご了承下さい。