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法律Q&A FAQ

地代の減額について

回答:弁護士 萩尾 健太

私は父の借地上に建てた家に、もう代替わりして40年住んでいます。地主から、従来通りの地代で契約して欲しい、と言われました。いままで、地主とケンカしないように、地代の値上げに応じてきましたが、私が近所の不動産屋に聞いたところ、近隣の地代よりもうちは随分高く払ってきたようです。その分、地代を大幅に減額してもらいたいのですが、どうしたらよいでしょうか。
 借地契約書上、地代については、近隣の価格や公租公課に照らして、増減できる、となっているのが通常です。減額できる、という条文になっていなくても、法的には減額できます(借地法12条)。
 まず、そうした条文の内容に照らして周辺の地代の事例や、固定資産税評価証明などにもとづき、適正と思われる賃料について、通知してください。ただし、法的手続で結論が出るまで、その後も現在の賃料を支払い続ける必要があります。
 法的手続としては、まず裁判所に調停を申し立てます。裁判所には専門の調停委員がいて話してくれ、適正と思われる賃料を提案してくれます。ただし、以前、高くとられていたから、大幅に下げたい、と思っても、むしろ、賃料額は継続性が重視されるので、下げるべき、と言われても、そう大幅には下がりません。
 調停で話し合いが付かないと、調停の場で鑑定をするか、調停は終わりにして、裁判所に訴訟を起こして、そこで主張を出し合い、話し合いが付かなければ、やはり鑑定をすることになります。
 鑑定は数十万円費用がかかりますので、賃料減額ができたとしても、あまり得にならない可能性があります。
近隣の賃料や公租公課の具体的な調査、調停の進行など、難しい面がありますので、具体的に弁護士に相談してみてください。

このQ&Aは、過去の相談をもとに掲載しています。題名横の日付の時点での回答ですので、その後の法改正などにより、現在は内容が変わっている場合もありますので、ご了承下さい。