交通事故に遭われた方に

 交通事故により死亡、傷害などの被害に遭われた場合、加害者には、業務上過失致死傷罪などの刑事責任、免許の取り消しなどの行政上の責任の他、被害者に対する民事上の責任、いわゆる損害賠償責任が生じます。
 ここでは、交通事故の被害に遭われた被害者またはそのご遺族の立場から、加害者側に対して、民事上どのような請求ができるか、請求のためにはどのような手段があるか、その際、弁護士をどのように活用できるかについて、概略をご説明いたします。

被害者が請求できる内容

 交通事故の被害に遭われた場合、被害者は、概ね以下のような損害の賠償を請求できます。

1.治療関係費
 ・治療費
 ・近親者の付添看護費
 ・入院雑費
 ・通院交通費・付添人の交通費 等

2.休業損害
 事故による傷害の結果お仕事を休まざるを得なくなった場合の、現実の減収分を、損害として請求できます。専業主婦はもとより、無職者の方についても休業損害が認められる場合があります。

3.死亡・傷害慰謝料
 被害者の方が亡くなられた場合には、ご遺族は、被害者の死亡による慰謝料を請求できます。被害者の方が傷害を負われた場合は、治療に要した期間などに応じて、慰謝料が請求できます。

4.後遺障害・死亡による逸失利益
 事故により傷害を負い、それが完治せず後遺障害が残ってしまった場合、事故以前より体が不自由になるなどして、以後のお仕事に支障が生じる、場合によってはお仕事自体ができなくなってしまうことがあります。そのような場合、後遺症がなければ労働により将来得られたであろう収入を、逸失利益として請求することができます。
 また、被害者が亡くなられた場合、被害者が、死亡していなければ将来得られたであろう収入を、ご遺族は、逸失利益として請求できます。

5.後遺障害による慰謝料
 先程ご説明した、傷害による慰謝料とは別に、後遺障害が残ってしまったことに対する慰謝料を請求することができます。

6.物損

誰に、どうやって請求するか

 自動車運転者は、「自賠責保険」への加入が法律上義務づけられていますが、この自賠責保険では、傷害の場合は120万円、死亡の場合には3000万円、後遺障害については75万円~4000万円の範囲内でしか賠償金が支払われません。ただし、多くの自動車運転者は、自賠責保険ではカバーされない部分を賠償する「任意保険」に加入しています。
 交通事故が起き、加害者が任意保険に加入している場合、自賠責保険部分も含め、任意保険会社が被害者に賠償金を支払うことになりますので、被害者の方は、この任意保険会社に請求し、交渉して、上記のような内容の賠償を求めていくことになります。
 この場合、保険会社が提示してくる賠償額は、保険会社の基準に基づいて計算されたもので、多くの場合、裁判所で認められる額よりかなり低額です。特に被害者または遺族ご本人が保険会社と交渉をすると、保険会社は自らの基準による低い水準での示談を求め、多くの被害者はこれに応じてしまっているのが現状です。しかし、もちろん事案によりますが、多くの場合は、この保険会社との交渉の段階で弁護士に依頼し、弁護士が代理人として保険会社を交渉すれば、比較的被害の実情に近い金額を賠償させることができます。
 できるだけ早い段階で弁護士にご相談されることをお勧めします。

裁判について

 上記のように、交通事故の場合、まずは加害者側が加入している保険会社との交渉が行われ、交渉のみで示談が成立する場合も多いので、弁護士にご依頼いただいたからと言って、必ずしも裁判になるとは限りません。
 しかし、弁護士が代理人となって交渉しても、なお保険会社がこちらが納得できるような譲歩するとは限りません。後遺障害の程度が大きかったり、被害者側にも一定の過失が疑われてしまうような事案の場合などは、保険会社も簡単には譲歩しません。そもそも、保険会社は独自の基準に従って賠償額を提示しますから、被害者が納得できるとは限らないのです。
 そのような場合は、裁判を提起する必要があります。裁判所は保険会社の基準には拘束されずに、被害の実情に応じた損害額を認定します。裁判であっても交通事故の場合は和解で終結する場合が多いので、一概に解決までに長い時間がかかるとは限りません。ただし、事実関係に争いがあるような事件などについては、解決までにそれなりの時間を要します。
 裁判の提起は、ご本人で起こすこともできますが、書面や証拠を作成したり、法廷に出廷するなどしなければならず、大変なご負担となります。また、交通事故の裁判の実務に精通した弁護士にご依頼したほうが、裁判の結果との関係でも、終結までの時間との関係でもやはり有利であろうと思われます。交渉段階から弁護士にご依頼されている方はもちろんのこと、保険会社との交渉は自分でやったが、決裂してしまったという方も、弁護士にご相談なさることをお勧めします。

遺言・相続・資産管理でお悩みの方に

1.はじめに

 人は誰しも死を迎えます。人が亡くなると相続の問題が配偶者や子などの相続人に生じます。高齢化が進む社会の中で、相続に関するトラブルを未然に防ぐこと、現に相続に関するトラブルに巻き込まれてしまった場合の解決は、弁護士がお手伝い致します。

2.相続問題を未然に防ぐために

 生前に遺言書を作成しておき、財産の配分を記しておくと、自分の遺産の分け方を決めることができますし、相続人間の紛争を未然に防ぐこともできます。
 遺言書は、ご自身で書いてもよいのですが、万全を期すのであれば公証役場で公正証書を作成することをお勧めします。
 遺言書に書く内容や、どのようなことに注意すればトラブルの防止になるのかなどについては、是非、弁護士にご相談ください。

3.相続問題に巻き込まれたら

 相続財産には、不動産や預金などの資産だけではなく、借金も含まれます。被相続人が亡くなったら、相続財産を調査して、借金が多い場合は、相続放棄や限定承認(相続財産の限度で借金を返す制度)もできます。
 遺言書がない場合は、相続人が話し合って遺産の分け方を決めます(遺産分割協議)が、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停を利用することもできます。 遺言書があっても、法律で保障されている一定の割合(遺留分)を侵害されている場合は、遺留分減殺請求をすることができます。
 相続の手続には、相続人や相続財産の調査などたくさんの書類を準備しなければなりませんし、相続分や遺留分の計算など法律上の知識も必要です。また、相続放棄や限定承認、遺留分減殺請求は定められた期間内にやる必要があります。弁護士に相談されることをお勧めします。

4.老後の財産管理はどうしたらよいのでしょうか。

 お年寄りを狙った詐欺などが横行する今、自分の財産の管理に不安を感じている方も多いでしょう。そのような場合、財産管理契約を結んで、財産管理や不動産に関する重要な書類の保管を任せたりすることができます。介護を受けるための福祉サービスの契約を任せたり、葬儀の手配などを頼んでおくこともできます。
 今は自分で管理できるが将来が不安だという場合は、公正証書で、判断力が低下した場合に後見人として財産管理や生活や療養看護に関する処理を任せるという契約を結んでおくことができます(任意後見制度)。
 自分で契約をすることができなくなった場合は、家庭裁判所に申し立てて、財産管理や療養看護に関する処理などをやってくれる成年後見人や保佐人、補助人を選任してもらうことができます(成年後見制度)。
 このような財産管理は、弁護士に任せると金融機関などでの事務処理が比較的スムーズに運びます。また、財産管理などをめぐる家族間の争いを防止することにもなります。ぜひ弁護士にご相談ください。

離婚・DVなど家庭内の問題でお悩みの方に

1.はじめに

 ご夫婦間の離婚問題やDVはプライバシー性が高く、他人には相談しにくいことだと思います。
 夫婦関係を解消して離婚という選択をすることも、人生を前向きに生きるために必要な場合もあります。また、DV(ドメスティック バイオレンス)とは、配偶者や内縁関係の者との間の家庭内暴力をいいます。DVは、不法行為・犯罪になりえます。
 当事務所には、男性はもちろん多数の経験豊かな女性弁護士も在籍しております。女性弁護士に相談したい、とお伝えくださればご要望にお答えします。一人で悩まずに、ぜひ当事務所にご相談ください。
 離婚したくないのに、配偶者に離婚を迫られている方のご相談もお受けしております。何なりとご相談ください。

2.離婚問題

 離婚には、大きく分けて協議離婚と調停・裁判離婚があります。
 協議離婚とは、ご夫婦双方が離婚に合意し、区役所等に離婚届を提出することで成立します。
 調停・裁判離婚とは、双方で離婚それ自体あるいは離婚の条件で夫婦間で合意ができない場合に家庭裁判所を通じて離婚する場合をいいます。
 調停離婚はあくまで話し合いによる解決を図る場ですので、柔軟な解決が可能である一方、双方の主張がかみ合わなければ調停不成立となります。
 裁判離婚とは、家庭裁判所が証拠に基づいて離婚理由の有無を判断し、判決によって離婚が成立するか否かを決する場合です。どのような場合に、離婚成立の見込みがあるかは事案によって千差万別です。裁判となると、様々な立証活動が必要となってきます。
 離婚に伴い、親権者の指定、面会交流の取り決め、財産分与、年金分割、慰謝料などの問題もあります。

3.DV等家庭内問題

 DVは、暴力的な行為を行う、暴力的な行為によって、相手を支配し、自分の思うままにしようとするものであり、人格を踏みにじり、対等であるべき夫婦関係を壊すものであることから許されるものではありません。最近は、肉体的・有形的な暴力だけでなく、精神的な暴力も増えています。そのため、肉体的なケガだけでなく、精神的不調をきたすこともあります。一人で悩まず、ご相談下さい。
 皆様に笑顔が戻るよう、協力いたします。

職場の問題でお悩みの方に

 職場でのトラブルといっても多種多様です。解雇・退職、賃金・残業代不払い、人事異動、男女差別、セクハラ、パワハラ、労災・過労死等、さまざまな問題があります。
 解決方法も、交渉での解決や、裁判所・労働委員会を通じての権利実現など、各事案により異なります。以下に大枠を記載しましたが、状況により異なるので、詳しくはご相談を。

解決方法

 職場に復帰したいのか、退職を前提にするのかという点も重要です。
・交渉:会社との交渉のお手伝いもします。労働組合との協力もできます。交渉で早期解決できるのが一番ですね。
・労働審判:交渉で話が付かないが、迅速な解決を希望する場合、労働審判という裁判所での簡易な手続があります。裁判官、労働者側、使用者側の3人の委員が簡易な手続で和解を勧め、あるいは審判をします。3ヶ月前後で解決しますが、双方が納得できないと、訴訟に移行します。
・仮処分:配転に応じられない、解雇されたが生活ができない、など、緊急を要する場合に行う簡易迅速な手続です。仮の処分なので、和解しない限り、訴訟も行う必要があります。
・訴訟:妥協せずじっくり闘う場合には訴訟がお勧めです。双方の主張をやり取りし、証拠を提出して、証人尋問、そして判決という手続となります(訴訟手続きの中で和解することもあります)。

解雇・退職について

 解雇は、客観的に合理的な理由がなければ許されません(労働契約法16条)。単に「能力に欠ける」、「態度や成績が悪い」、「会社の業績が苦しい」というだけでは、会社が働く人を解雇することは違法です。
 継続して働いてきた有期やパートの社員の雇止めも、同じように、客観的に合理的な理由がなければ違法です。
 リストラによる退職勧奨にも応じる義務はありません。辞めないと言っているのに退職を迫る退職強要は違法となります。

賃金・残業代について

 同意していないのに一方的に賃金を切り下げることは、違法です。就業規則を変更しても、原則としては違法となります(労働契約法9条、10条)。
 もし会社が倒産しても、賃金は、他の会社の債務に優先して支払わねばなりません(民法308条、労働基準法24条)。
 残業代不払いも違法です。割増賃金を請求することができます(労働基準法37条)。

人事異動について

 配転・出向・転籍などの人事異動についても、労働契約法や裁判所の判例によって使用者の人事権は制限されています。詳しくはご相談ください。
 降格や人事査定についても、上司の恣意的査定は許されません。

男女差別、セクハラ・パワハラについて

 男女の賃金差別や昇格差別も、労働基準法4条や男女雇用機会均等法によって禁止されています。
 職場での性的嫌がらせ(セクハラ)や上司などの地位を利用したいやがらせ(パワハラ)は、行った人の不法行為であるとともに、会社の義務違反として、原則として両方に損害賠償請求ができます。

労災・過労死について

 労災は、労基署に手続きすると、国の労災保険から補償されます。労災が認められなかった時には、不服申立の手段があります。
 それと並行して、会社に責任があるときは、会社に損害賠償請求をすることもできます。
 長時間労働をしたことが原因で心臓疾患や脳血管疾患によって死亡したという過労死や、うつ病になって自殺した過労自殺も、労災と同様の手続となりますが、ご遺族の心労は大変ですし、長時間労働、因果関係の立証などが困難な場合も多いので、弁護士にご相談を。

 当事務所は三軒茶屋での開設以来、労働者の権利を守るということを業務の大きな柱としてきました。労働組合の方との協力体制も万全です。お一人で悩まず、同じ苦しみで悩んでいる方のお手伝いをしてきた我々にご相談ください。

借金でお悩みの方に

1.はじめに

 長引く不況により、失業や賃金カットなどで私たちの生活はますます苦しくなっています。クレジットカード会社やサラ金などから借金をし、結局その借金が返しきれなくなってしまうという、いわゆる多重債務が社会問題となっています。
 借金が膨らんで返せなくなってしまった場合、法律的にはどのような解決ができるでしょうか。

2.債務整理の種類

 膨らんでしまった借金を法律的に整理することを債務整理と言います。債務整理には、おおまかに言って次の3つの方法があります。

(1)任意整理
 これは、弁護士が代理人となって債権者と交渉し、残債務を3年から5年程度の分割で支払うという合意を成立させる手続です。
 債権者に対して利息制限法上の上限金利を超える金利を支払っていた場合には、債務の額が減額されたり、場合によっては過払いといって、払いすぎた利息を逆に債権者に返還請求できる場合もあります。
  しかし、あくまで債務が残った場合はそれを返済することが前提となる手続ですので、残債務の金額が大きく、分割での支払いすらできない場合にはこの手続を利用するのは困難です。

(2)破産の申立
 裁判所に破産の申立を行うという方法です。これは、裁判所の最終的な許可が下りれば、免責といって法律的に借金の支払義務が免除されるという制度です(ただし、借金の原因がギャンブルや浪費など一定の場合には、この免責が認められない場合があります。また、例外的に免責の対象とならない債務もあります。詳しくは弁護士にご相談下さい)。
 破産の場合は、借金の支払義務が免除され、これ以上返済しなくてもよくなるという点がメリットです。しかし、その前提として、破産申立ての時点で自分が持っている財産は債権者への配当などのために差し出さなければなりません。したがって、自宅不動産や自動車を所有している場合や、生命保険の解約返戻金があるというような場合は注意が必要です。

(3)民事再生の申立
 上記(2)で書いたように、破産の申立をした場合、自宅不動産がある場合には、その自宅を売却して債権者への配当等に充てなければなりません。そこで、サラ金などの借金は整理したいが、自宅の土地建物は残したいという場合などには、この民事再生の申立を検討することになります。
 民事再生の手続では、住宅ローンの債務については約定通りの支払いを続け、その他のサラ金等の債務についてのみ、残債務を一定程度圧縮し、その圧縮された残債務を原則3年以内で支払うということが可能となります。住宅ローン債務は約定通りの支払いを続けることができるので、自宅の土地建物を残した上で、それ以外の債務を整理することができます。
 この民事再生の手続を行うためには、将来的に継続して安定的な収入を得る見込みを要するなど、一定の要件が必要となります。

3.債務整理で弁護士に依頼するとこうなる

 債務整理事件として弁護士が事件を受任すると、弁護士から各債権者に対して「受任通知」を送ります。そうすると、各債権者は本人に直接取立行為を行うことができなくなりますので、債権者からの厳しい取立から解放されることになります。
 時として、破産をすると選挙権がなくなるとか、戸籍にその旨の記載がなされるなどの誤解がありますが、そのようなことはありません。
 なお、弁護士から「受任通知」を送ると、金融機関の信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に登録されるため、おおむね5年程度、新たな借入をしたり、クレジットカードを作ったりすることはできなくなります。

4.1人で悩まないで

 「借金」の問題は、あまり他人に知られたくない悩みです。ですから、誰にも相談できずに1人で悩みを抱え込んでいる人も少なくありません。また、借りたものは返さなければならないという思いから、債務整理をためらう方もいらっしゃいます。
 しかし、サラ金やクレジットカード会社の中には高金利を取っているところもあり、頑張って返済しようとしても、余計に借金が雪だるま式に膨らんでしまうということも珍しくありません。多重債務状態に陥ると、生活に必要な費用を犠牲にしてでも借金の返済を優先させようとするため、借金が生活再建の大きな足かせとなってしまいます。
 債務整理をすることは、悪いことでも恥ずかしいことでもありません。債務整理は、借金地獄から解放され、生活を再建するために認められた合法的な制度なのです。
 どうか1人で悩まないで、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

中小企業等の経営者の方に

 現在社会では、中小企業の経営や取引にも様々な法律的リスクがあります。
 こうしたリスクを回避し、将来の紛争を予防するためには、事前に契約書等の書面をしっかり作っておく、仮に契約書を作成できない場合であっても、発注書や見積書などで、将来の紛争を予防するための必要事項をきちんと記載しておくことが大切です。
 こうした書類の作成を怠ると、後で思わぬトラブルになることがあります。
 また、新しい取引先と取引をする際に、相手方の作成した契約書の内容がよく分からずに不安であるとか、自分で作成した契約書に法的な不備がないか不安であるといったことがあると思います。
 私たちは、将来の紛争を予防するために、中小企業の取引における契約書類の作成や、すでに作成されている契約書類を法律的な側面からチェックするなど様々なお手伝いをすることができます。また、顧問契約を結んでいただければ、日々の経営や取引における法的な問題について、適宜アドバイスをすることが可能になります。
 また、不幸にして紛争になってしまった場合(たとえば、取引先が売掛代金を支払ってくれないとか、借入金の返済が困難であるなど)でも、紛争解決のためのお手伝い(取引先や金融機関との交渉や裁判手続など)をすることができます。
 中小企業経営者の方にとっても、弁護士は敷居が高いと思われがちですが、どうかお気軽にご相談下さい。ご相談いただくことで、思わぬ法律的なリスクやトラブルを避けることができることもあります。こんなことで相談していいのかな?などとは思わず、一度、当事務所にご連絡下さい。

賃貸借のトラブル

 自宅の建物を借りているが、大家から、建物が古くなったので出て行ってくれないかと言われているとか、逆にアパートを所有しているが、アパートの借主が長期間家賃を滞納しているので出て行ってもらいたいといったご相談があります。
 土地や建物などの不動産の賃貸借は、借地借家法という法律で、原則として借主は手厚く保護されています。そして、賃貸人の側から賃貸借契約を解除したり、契約の更新を拒絶するためには、「正当の事由」が必要とされています。
 この「正当の事由」の有無は、賃貸人・賃借人双方がその物件の使用を必要とする事情や、賃貸借のそれまでの経過、物件の現況や利用状況などを考慮して判断するとされていますが、裁判実務上それほど簡単には認められません。
 ですから、賃借人が家賃を長期間滞納しているような場合は別として(その場合は債務不履行として賃貸借契約の解除原因となります)、単に建物が古くなったからという理由だけで、賃貸人の側が一方的に賃貸借契約を解除したり、契約の更新を拒絶したりすることはできません。
 その他にも、たとえば、借りている部屋に雨漏りが発生したが、大家が直してくれない、借主がアパートから退去するときに大家が敷金を返してくれない、高額なリフォーム代を請求された、逆に、借主が賃貸借契約で決められたルールを守らない(たとえば、ゴミの出し方など)、退去時に部屋に物を残したまま出て行ってしまい、処分に困っているなど、賃貸借にまつわる様々なトラブルがあります。詳しくは、是非弁護士にご相談下さい。

消費者問題

 本格的な高齢化社会の到来で、特にお年寄りを狙った悪質な詐欺商法事件などが横行しています。
 たとえば、一人暮らしのお年寄りの自宅を訪問し、高額な商品を購入させる(訪問販売)、高額の自宅リフォーム工事の契約をさせる(リフォーム詐欺)、先物取引やオプション取引などで高額の投資をさせる(金融取引被害)、将来必ず値上がりするなどと勧誘して、二束三文の価値しかない未公開株を購入させる(未公開株詐欺)、リゾート開発の予定があるなどと勧誘して、二束三文の原野や山林を購入させる(原野商法)など、様々なパターンがあり、その手口も実に巧妙です。
 このような場合には、一定の要件の下に、消費者契約法に基づく契約の取消しを行ったり、いわゆるクーリング・オフの制度(契約の申込みまたは契約の締結後、一定期間内は無条件に申込みの撤回や契約の解除をすることができる制度)を利用することができます。
 ただし、上記のような悪徳商法の場合、お金を受け取った事業者はすぐに連絡が取れなくなってしまったり、行方をくらませてしまうことも少なくありません。
 そこで、すでに支払ってしまったお金を取り返すためには、早急に裁判を起こして強制執行を行ったり、警察に告訴を行うなどの必要があります。また、いわゆる振り込め詐欺等の場合には、悪徳業者の銀行口座の凍結を金融機関に依頼する手続もあります。
 いずれにしても、ご自身や親族がこのような被害に遭ったという場合には、早めに弁護士にご相談いただくことが大切です。

債権回収について

 知人にお金を貸したけれども返してくれない、あるいは取引先が工事代金を支払ってくれないなどの場合、どのようにして貸したお金や工事代金を回収したら良いのでしょうか。

1.保全手続

 相手方と交渉しても支払ってもらえないという場合の債権回収方法は、原則として裁判を起こして判決をもらい、その判決をもって強制執行手続を行う必要があります。しかし、裁判には一定の時間がかかりますので、裁判をやっている間に相手方が破産してしまったり、持っている財産を処分されてしまうことがあります。
 そのようなことを避けるために、相手方に一定の財産がある場合(たとえば不動産や預貯金など)には、一定の要件の下に、裁判を起こす前にその財産の仮差押の手続を行うことができます。
 この仮差押の手続を行うと、たとえば不動産であれば仮差押の登記がなされ、預貯金であれば口座が凍結されますので、相手方はこの財産を勝手に処分することはできなくなります。
 ただし、この仮差押の手続は、その財産を押さえておかなければ将来の強制執行ができなくなるおそれがある場合等に限られます(保全の必要性の要件)。また、この仮差押手続を利用するためには、担保として一定額を納める必要があります(担保額は裁判所が決定しますが、仮差押の対象財産の価格の10~30%程度と言われています)。

2.裁判手続

 相手方を被告として、裁判所に訴訟を提起します(民事裁判)。
 裁判は、仮に相手方がこちらの主張の内容を争ってきた場合には、判決が言い渡されるまで通常1年程度の時間がかかります。
 ただし、裁判の途中で相手方との話し合いの手続が行われ、和解が成立することも珍しくありません。この場合、裁判所で和解調書が作成され、この和解調書には判決と同じ効力があります。したがって、仮に相手方が和解調書で約束した支払いを怠った場合には、判決と同様に相手方の財産に対して強制執行を行うことができます。

3.強制執行

 判決が確定したり、相手方が和解調書での約束を守らない場合などには、相手方の財産に対して強制執行(上記1で仮差押をしていた場合にはその仮差押をした財産に対する本執行)を行うことができます。
 強制執行手続は、相手方の持っている財産を差し押さえてお金に換え、そこから配当を受けるという手続です。

 債権回収の手続の流れは以上のとおりですが、これはいずれも相手方に一定の財産があることが前提です。財産がない場合には、裁判所の判決を取っても1円も回収できない場合もあります。
 いずれにしても、早めに手続を行うことが必要ですので、是非弁護士にご相談下さい。

刑事事件・少年事件に関するご相談

1.警察に出頭を要請された場合

 あくまで任意での要請なので、応じる必要がありません。しかし、出頭を求められた理由、事件の性質によっては不出頭が続くと逮捕されてしまう場合も考えられます。
 弁護士と相談して、対応を決めるようおすすめします。弁護士は守秘義務を負っています。相談をしたことが他人に伝わることはありませんので、是非、ご相談ください。

2.家族、友人、知人が逮捕・勾留されてしまったら

 逮捕されると、途中で身柄を解放されない限り、逮捕から48時間以内に送検、その後24時間以内に勾留請求され、勾留されると20日以内に釈放あるいは起訴という手続きになります。
 逮捕・勾留され精神的に動転してしまっている方にとって、警察官や検察官の取り調べに対して適切に対応するのは困難です。ご家族らとの面会が制限されている場合もあり、弁護士が家族や友人との窓口になる必要があります。また、身柄の解放にむけて検察庁や裁判所に働きかけることも必要です。是非、ご家族、ご友人が逮捕、勾留された場合には当事務所の弁護士にご連絡ください。

3.起訴されてしまったら

 まず、身柄が拘束されている場合には保釈を求める必要があります。
 起訴後の手続きは、犯罪の軽重や事案の性質により異なりますが、刑事裁判にむけた準備をしっかりと行う必要があります。

4.未成年の方の刑事手続き

 少年事件の場合、原則として全ての事件が家庭裁判所に送られます。
 その後、多くの場合「観護措置決定」がなされ、少年鑑別所で身体を拘束され、原則として4週間以内に少年審判が行われます。
 少年の場合であっても、事案が重大な場合には少年院送致や刑事処分など厳しい処分が下される場合もあります。
 えん罪であればもちろんのこと、非行事実がはっきりしている場合であっても、少年自身が自ら反省し、今後の生き方を見つめ直すことができるよう、ご家族とともに当事務所の弁護士がお力添えいたします。